市販の黒染めだけは絶対にやめて!現役20年のプロが「次はもう明るくできない」と断言する理由

こんにちは、現役美容師のKAZUです。

美容師歴も気づけば20年を超えて、毎日たくさんのお客様の髪と向き合っています。30代、40代、50代と年齢を重ねてくると、髪質が変わってきたり、白髪が気になり始めたり、若い頃とは違う悩みが増えてきますよね。

そんな大人世代の皆さんに、今日はプロとして、そして一人の人間として、どうしても本音で伝えたいことがあります。ちょっと耳が痛い話かもしれないし、少し辛口に聞こえるかもしれないけれど、あなたの髪の未来を守るために、心を鬼にして言わせてください。

「ドラッグストアで買える市販の黒染めだけは、絶対に自分でやらないでくれ!」

これ、大げさでもなんでもなく、現場の美容師全員が心の底から叫びたい本音なんです。急な仕事の都合、法事、面接、あるいは「ちょっと白髪が増えてきたから一度リセットして黒くしちゃおうかな」なんて軽い気持ちで手を出してしまう方が本当に多い。でもね、その数百円・数十分の行動が、その後数年間にわたってあなたの髪を苦しめることになるんです。

今回は、なぜ現役20年の僕が「市販の黒染めをしたら次はもう明るくできない」と断言するのか、その恐ろしい理由と裏事情を包み隠さずお話ししますね。

市販の黒染めをドラッグストアでカゴに入れたあなたへ

仕事帰りや休日にドラッグストアのヘアカラーコーナーに行って、「手軽そうだし、安いし、今日中に染めたいし」と、黒染めや一番暗いトーンの白髪染めをカゴに入れようとしているあなた。ちょっと待って、その手を今すぐ止めてください。

「たかが黒染めでしょ? 失敗もしなさそうだし、暗くするだけなら誰がやっても同じじゃない?」

そう思いましたよね? ぶっちゃけ、その油断が一番危険なんです。

明るいカラーで失敗したら「あ、ムラになっちゃったな」で済むかもしれませんが、市販の黒染めの失敗はそんな生半可なものじゃありません。目に見える失敗だけじゃなく、髪の内部に「時限爆弾」を埋め込むようなものなんです。

特に30代を過ぎてからの髪は、ホルモンバランスの変化や日々のダメージで、若い頃よりもずっと繊細になっています。そこに市販の黒染めという強烈な一撃を加えるとどうなるか……想像するだけでもプロとしては背筋が凍ります。

なぜプロは市販の黒染めを全力で止めるのか

僕たち美容師がなぜここまで市販の黒染めを嫌がるのか。ただ単に「美容室でお金を使ってほしいから」だと思っていませんか? 断言しますが、全く違います。むしろ、市販の黒染めをされた髪を直す施術のほうが何倍も難しくて神経を使うし、お客様にも負担がかかるから、本当はやりたくないくらいなんです。

僕たちが全力で止める理由は、主に3つあります。

誰の髪でも真っ黒に染まるように作られた劇薬レベルのパワー

市販のカラー剤って、誰が買いますか? 髪が細くて柔らかい10代の女の子も買えば、太くて硬い剛毛のおじさんも買いますよね。取扱説明書通りに染めれば、どんな髪質の人でも「絶対に失敗なく真っ黒」にならなきゃいけない。つまりクレームを防ぐために、市販の黒染めは誰のどんな強い髪でも無理やり染まる超強力な薬剤パワーで作られているんです。

美容室なら、あなたの今の髪の傷み具合、太さ、過去の履歴を見て、薬剤の強さを細かく調整します。毛先の傷んでいる部分には優しい薬を使い、根本の健康な部分にはしっかり効く薬を使う。これがプロの仕事です。

でも市販薬はそんな気遣いゼロ。「全員まとめて問答無用で黒く染め上げる!」というパワー全開の薬剤を、傷んだ毛先までベッタリ塗ることになります。これがどれだけ髪にとって暴力的なことか、分かってもらえますよね?

黒染めの色素は髪の奥深くに一生居座るタトゥーのようなもの

「黒染めなんて、数ヶ月経ってシャンプーしてたら自然に落ちて明るくなるでしょ?」

これ、めちゃくちゃ多い勘違いです。ハッキリ言いますが、市販の黒染めの色素は自然には落ちません。

黒染めに含まれる黒い色素(染料)の粒子は、ものすごく濃くて小さいんです。それが髪の芯まで入り込んで、中で巨大にくっつき合って外に出られなくなります。イメージで言うなら、髪の毛にタトゥー(刺青)を彫るようなものです。

表面上は少し退色してパサついた嫌な赤茶色になるかもしれませんが、芯にはガッツリと頑固な黒い色素が残り続けています。これが数年単位で髪の中に居座り続けるんです。

次に明るくしようとすると確実にムラと大ダメージになる

これが今回の記事のメインテーマであり、最大の悲劇です。市販の黒染めをした数ヶ月後、「やっぱりちょっと重いから明るくしたいな」「春だしトーンアップしようかな」と思って美容室に行きますよね。

そこで美容師に「明るくしてください」とオーダーしても、美容師は困り果ててため息をつくしかありません。なぜなら、通常のカラー剤では黒染めの色素は1ミリも明るくならないからです。

明るくするためにはブリーチ(脱色剤)や強い脱染剤を使うしかありません。でも、市販の黒染めが入っている部分と、新しく伸びてきた地毛の部分、そして黒染めを塗る前に元々明るかった部分で、薬の反応が全く変わってしまいます。

結果どうなるか。根本は金髪、中間は赤黒い茶色、毛先は緑がかった濁った色……といった、見るも無惨な「トラ柄ムラ」の完成です。しかもブリーチを重ねるわけですから、髪はバサバサのチリチリ。30代〜50代の大人の髪に、そんなダメージは絶対に耐えられません。

でも白髪染めや暗めのブラウンなら大丈夫でしょという大きな勘違い

ここで「私は真っ黒じゃなくて、ナチュラルブラウンやダークブラウンの白髪染めを買ったから大丈夫」と思った方、いませんか?

残念ながら、それも同じ罠にハマっています。

市販の「白髪染め」や「ダークトーンのおしゃれ染め」は、白髪をしっかり隠すために、大量の濃いブラウンや黒に近い色素を含んでいます。プロから見れば、名前が「ブラウン」になっていようが、やっていることは黒染めとほぼ同じなんです。

特に大人世代の方は、生え際や頭頂部の白髪が気になって、2〜3週間に1回市販の白髪染めでセルフカラーを繰り返しているケースがよくあります。これをやっている髪は、黒い色素が何層にもミルフィーユのように重なってこびりついています。

こうなってしまうと、もう僕たちプロでも「綺麗に明るく戻す」ことは不可能に近いです。「切って無くなるのを待つしかないですね」としか言えなくなってしまう。これ、言わなきゃいけない美容師側も本当に辛いんですよ。

もし市販の黒染めをしてしまったら…美容室で起きるリアルな悲劇

もしあなたが過去に市販の黒染めをしてしまっていて、今「どうにかして明るくしたい」と美容室に行ったらどうなるか。現場で実際に起きているリアルな流れをお話しします。

ブリーチしても抜けない謎の赤みと濁り

黒染めを剥がすためにブリーチを使うと、日本人の髪はまず「嫌な赤オレンジ色」になります。透明感のあるアッシュベージュやミルクティーカラーなんて夢のまた夢。どう頑張っても、昭和のヤンキーのような濁った赤茶色にしかなりません。

しかも、黒染めを自分で塗ったときの「塗りムラ」がそのまま色のムラとして浮き出てきます。どんなに上手な美容師が均一にブリーチを塗っても、ベースの黒染めがムラになっている以上、仕上がりも絶対にムラになります。

施術を断られるケースも珍しくない現実

「お客様の髪の状態だと、これ以上強い薬を使うと毛先がちぎれてしまいます。ご希望の明るさにはできません」

こんな風に、カウンセリングの時点で施術をお断りされることも日常茶飯事です。意地悪で断っているんじゃないんです。あなたの髪がボロボロになって取り返しのつかないことになるのを防ぐための、プロとしての苦渋の決断なんです。

直すためにかかる時間とお金は数倍に跳ね上がる

市販のカラー剤なら700円前後、時間も30分で済みますよね。でも、その失敗を修正しようと思ったらどうなるか。

ケアブリーチをして、色素を抜いて、ムラを修正するカラーを重ねて、トリートメントで徹底的に補修する……。時間にして3〜4時間以上、料金も2万円〜3万円コースです。しかも1回では直らず、半年〜1年かけて少しずつ直していく長期戦になります。

「安くて手軽だから」と選んだ市販の黒染めが、結果として莫大なお金と時間、そして大切な髪のツヤを奪っていく。こんなに割に合わないコスパの悪い話、ないと思いませんか?

どうしても黒くしなきゃいけない時の正しい選択肢

とはいえ、人生にはいろいろあります。「就活が始まる」「急に会社の規定が厳しくなった」「実家に帰るから数日間だけ暗く見せたい」など、どうしても黒く、あるいは暗くしなきゃいけない事情ってありますよね。その気持ちはすごく分かります。

じゃあ、どうすればいいのか? 答えはシンプルです。

「美容室に行って、次の予定まで正直に伝えて染めてもらう」

これ一択です。

美容室でオーダーするときは、ただ「黒くしてください」と言うだけじゃダメです。こう伝えてください。

「事情があって今は暗くしなきゃいけないけれど、3ヶ月後(あるいは半年後)にはまた明るく戻したいです」

これを伝えてもらえれば、僕たちプロは「次に明るくできる薬の調合」をします。黒い色素を使わずに、濃いブルーやグレー、紫などを限界まで詰め込んで、見た目はしっかり黒く見せつつ、数ヶ月後には綺麗に抜けて次のカラーの邪魔をしない「擬似黒染め」を作るんです。

これなら、髪を過剰に傷めることもないし、次のカラーで好きな色を楽しむことができます。これができるのは、プロの知識と薬剤のコントロールがあってこそなんです。

まとめ:大人の髪は一度壊れたら簡単には元に戻らない

今回はちょっと厳しいことも言いましたが、全部あなたの髪を思っての本音です。

20代の頃の健康で強い髪なら、多少の無理も効いたかもしれません。でも、30代を過ぎてからの大人の髪は、ツヤやハリコシが失われやすく、一度激しいダメージを受けると自然治癒することは絶対にありません。トリートメントをしても、それはあくまで「コーティングしてごまかしている」だけなんです。

だからこそ、薬剤選びやカラーの履歴だけは、本当に慎重になってほしい。数百円の市販薬で、何年もかけて育ててきた大切な髪を台無しにしないでください。

もし今、髪色や白髪のことで悩みがあるなら、ドラッグストアに走る前に、いつもお世話になっている担当の美容師さんに相談するのが一番ですよ。プロはあなたの髪の歴史を知っているし、あなたの生活やこれからの希望に寄り添ったベストな提案をしてくれるはずです。

これからも、大人世代の皆さんがいつまでも綺麗で、自分の髪に自信を持てるような情報をプロの視点から発信していきますね。この記事が少しでもあなたの参考になったら嬉しいです。読者の皆様、これからもどうぞよろしくお願いします!

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