こんにちは、現役美容師のKAZUです。
ハサミを握り続けてかれこれ20年以上。これまで何千人、何万人というお客様の髪に触れてきました。表参道や銀座のサロンでバリバリやってきて、今も現場でお客様の髪と向き合っています。
さて、今回はサロンワークでも毎日のように相談される「大人の髪のパサつき」について、本音をガッツリ語らせてもらいます。
30代を過ぎて40代、50代になってくると、鏡を見るたびに「あれ?昔と髪質が変わった…?」「何をつけても毛先がバサバサしてまとまらない」ってため息をついていませんか?
ドラッグストアに行っては、SNSで話題のヘアオイルを買いあさり、「全然効かないじゃん…」と引き出しの肥やしにしているあなた。はっきり言います。選び方と使い方が間違っているだけです!
市販の洗い流さないトリートメント(アウトバストリートメント)だって、正しい知識を持って選べば、大人のパサつき髪をツヤ髪へ劇的に変えることができます。今回はプロの視点から、忖度なしで「大人のアウトバストリートメントの正解」を徹底解説しますね。
大人のパサつきは10代・20代のダメージとはわけが違う
ただの乾燥じゃない!エイジング毛という現実
まず知ってほしいのは、大人の髪のパサつきは、若い頃の「カラーで傷んだ」「毛先がちょっと乾燥した」というレベルとは根本的に原因が違うってことです。
30代後半から50代にかけて、髪の内部では大きな変化が起きています。ホルモンバランスの変化や頭皮の血行不良によって、髪の中のタンパク質や脂質がスカスカになっていくんです。これを僕たちプロは「エイジング毛」と呼びます。
ストローで例えるなら、若い頃の髪はしっかり詰まった新品のストロー。でも大人の髪は、ところどころに穴が空いてペコペコになったストローです。中身が抜けて空洞ができているから、光が乱反射してツヤが出ず、パサついて見えてしまうわけです。
水分を抱え込む力が落ちている
さらに厄介なのが、髪自体の「保水力」が落ちていること。どれだけ水分を与えても、それを留めておくストッパー(脂質)が足りないから、あっという間に蒸発して砂漠状態に戻ってしまうんです。
だからこそ、若い子が使うような「表面をサラサラにするだけの軽いスプレー」や「流行りの重いだけのオイル」を適当につけても、大人の髪は満足してくれません。大人のパサつきには、大人のための戦略が必要なんです。
やってはいけない!大人が陥りがちなトリートメントのNG行動
とりあえずヘアオイルを塗りたくる
これ、本当にやってる人が多すぎます。「パサつく=油分を足せばいい=ヘアオイル」という短絡的な発想、今すぐ捨ててください。
パサパサの乾いた髪にいきなりオイルだけをベタベタ塗っても、油分が髪の表面に乗っかるだけで、中身はカラカラのままです。それどころか、夕方になると「毛先はパサついているのに、頭頂部はペタッとして不潔に見える」という最悪のコンディションになりかねません。
オイルはあくまで「フタ」です。中身の水分と栄養を補給せずにフタだけ閉めても、何の意味もないんですよ。
お風呂上がりに何もつけず放置して乾かす直前につける
お風呂から上がって、スキンケアしたりスマホを見たりして、髪が半分乾いた状態で慌ててトリートメントをつけてドライヤー…これも絶対にNGです。
髪の毛は、濡れている時が一番キューティクルが開いていて、成分が奥まで浸透しやすい状態です。乾き始めた瞬間から水分はどんどん逃げていきます。タオルドライをしたら「1分以内」にアウトバストリートメントをつける。これが鉄則です。
適当に毛先だけに揉み込んで終わる
「毛先が痛んでるから毛先だけにつけよう」と、毛先にチョロッとつけて満足していませんか?
パサつきが目立つのは、実は毛先だけじゃなくて「髪の表面」や「内側のうねる部分」だったりします。手ぐしを通すだけで終わらせず、目の粗いコーム(クシ)で均一に髪全体になじませる。このひと手間をサボっている人が多すぎます。道具を使わないのは本当にもったいないです。
市販の洗い流さないトリートメント正解の選び方
ドラッグストアに行くと、オイル、ミルク、ミスト、バームなど、種類が多すぎて何を選べばいいか分からないですよね。それぞれの特徴と、大人の髪にどう選ぶべきかを教えます。
大人のパサつき髪にまず選ぶべきはミルク(クリーム)タイプ
もしあなたが「最近髪のパサつきやゴワつき、広がりが本当に気になる」と悩んでいるなら、迷わず「ヘアミルク(またはクリーム)」を選んでください。
ミルクタイプは「水分」と「油分」が絶妙なバランスで混ざり合っています。スカスカになった大人の髪の内部にスッと水分と補修成分を浸透させ、適度な油分でやわらかく整えてくれるんです。
特に、太くて硬い髪、うねりが出てきてゴワつく髪には、ミルクタイプが劇的な効果を発揮します。市販品でも、セラミドやアミノ酸、加水分解シルクなどの補修成分が入ったミルクは優秀なものがたくさんあります。
ツヤと熱ダメージ対策にはオイルタイプ
「じゃあオイルはダメなの?」というと、そんなことはありません。オイルは「熱から髪を守る」「ツヤを出す」「外からの湿気をブロックする」という点において最強のアイテムです。
ただし、大人がオイルを選ぶときは「成分」に注目してください。市販のオイルには大きく分けて2種類あります。
1つは、シリコンベースのサラッとしたオイル。ドライヤーの熱から守り、指通りを良くしてくれます。朝のスタイリングやドライヤー前にぴったりです。
もう1つは、植物油脂(アルガンオイル、ホホバオイルなど)ベースのリッチなオイル。保湿力が高く、まとまりを出してくれます。
大人の髪には、アルガンオイルなどの高保湿な植物オイルがブレンドされたものや、エルカラクトン(γ-ドコサラクトン)という「ドライヤーの熱に反応して髪を補修する成分」が入った市販オイルが圧倒的におすすめです。
軟毛・細毛でペタンとしやすいならミストタイプ
「髪はパサつくけれど、オイルやミルクをつけるとボリュームがなくなってペタンコになる」という細毛・軟毛のあなた。あなたに最適なのは「ヘアミスト(ローション)」です。
ミストは分子が非常に小さいため、髪の内側深くまでスピーディーに水分とケラチンなどのタンパク質を届けてくれます。油分が少ないので重くならず、ふんわり感をキープしたままパサつきを抑えることができます。
美容師が教える裏技!パサつきを完全に封じ込めるW使い
ここで、僕がサロンでもお客様にこっそり教えている、市販品でもサロン帰りの質感を再現する裏技を紹介します。それが「ミスト(またはミルク)+オイルのW使い」です。
スキンケアで考えてみてください。洗顔後、いきなり乳液やオイルを塗る人はいませんよね?まず化粧水で保水して、その上から乳液やクリームでフタをしますよね。髪も全く同じです。
ステップ1:まずは水分と補修成分を入れる
タオルドライした濡れた髪に、まずは「ヘアミスト」または「ヘアミルク」を全体になじませます。これで乾いた髪の内部にしっかりと水分と栄養をチャージします。
ステップ2:オイルでフタをして熱から守る
その上から、少量の「ヘアオイル」を毛先中心に重ねづけします。こうすることで、先に入れた水分の蒸発を防ぎつつ、ドライヤーの熱から髪を完璧にガードできるんです。
「2つつけるなんてベタつかない?」と思うかもしれませんが、それぞれの量を半分ずつにすれば大丈夫。翌朝の髪の「ぷるん」としたまとまりとツヤに、間違いなく感動するはずです。
市販品を見極める!大人世代がチェックすべき成分
パッケージの「サラツヤ!」「しっとり!」というキャッチコピーだけに騙されないでください。裏面の成分表示を見るクセをつけましょう。大人世代が見るべきポイントはここです。
毛髪補修成分が入っているか
大人の髪には、ただの手触り向上だけでなく「補修」が必要です。以下の成分が成分表の前の方や中盤に書かれているかチェックしてみてください。
・加水分解ケラチン(髪の主成分であるタンパク質を補給する)
・セラミド(髪の水分を繋ぎ止める脂質)
・γ-ドコサラクトン(エルカラクトン:熱を味方にしてうねりやパサつきを補修する)
・加水分解シルク、アミノ酸各種
シリコンを悪者扱いしないこと
一時期「ノンシリコンブーム」がありましたが、アウトバストリートメントに関して言えば、大人のパサつき髪にシリコン(ジメチコン、シクロペンタシロキサンなど)は絶対に必要です。
キューティクルが傷んで剥がれかけている大人の髪を摩擦や熱から守り、滑らかな指通りを作ってくれるのはシリコンの力です。頭皮に直接べったり塗りたくるわけではないので、毛先中心に使うアウトバス商品においては、シリコンを怖がる必要はまったくありません。
パサつきをリセットする!正しい乾かし方とドライヤーのコツ
どれだけ良いトリートメントを選んでも、乾かし方が雑だと効果は半減します。ここだけは絶対に守ってほしいドライヤーの手順をお伝えします。
しっかりタオルドライをする
ビショビショの髪にトリートメントをつけても流れてしまいます。まずは吸水性の高いタオルで、髪をこすらず、優しく挟み込むようにして水分を取りましょう。
目の粗いコームでとかす
トリートメントを手のひら全体、指の間にまでしっかり伸ばしたら、髪の内側から手ぐしを通すようにつけます。その後、必ず「目の粗いコーム」で根元から毛先に向かって優しくコーミングしてください。これだけで製品の馴染み方が10倍変わります。
根元から乾かし、最後は上から風を当てる
ドライヤーはまず乾きにくい「襟足」や「後頭部の根元」から風を当てます。全体の8割くらい乾いたら、ドライヤーを斜め上から毛先に向けて風を当ててください。キューティクルは根元から毛先に向かってウロコ状に重なっているので、上から風を当てることでキューティクルが綺麗に閉じ、驚くほどのツヤが生まれます。
最後の仕上げは冷風
全体が乾いたら、最後に必ず「冷風(クールモード)」を全体に1分ほど当ててください。髪の熱を冷ますことで、キューティクルがキュッと引き締まり、ツヤが固定され、寝癖もつきにくくなります。この冷風仕上げ、やってない人が多すぎますが、美髪の人は全員やってます!
髪が変われば、毎日の気分も見た目年齢も変わる
大人の髪のパサつきは、年齢のせいにして諦める必要なんてこれっぽっちもありません。髪は肌と同じで、正しく手をかけてあげれば、何歳からでも必ず応えてくれます。
「もう年だからパサつくのは仕方ない…」なんて思わずに、まずは今日の夜から、自分の髪質に合ったトリートメントを正しい手順で使ってみてください。髪にツヤとうるおいが戻るだけで、見た目年齢はマイナス5歳、いやマイナス10歳は軽く変わりますよ!
もちろん、ドラッグストアで自分にぴったりの1本を見つけるのが難しい時や、どうしてもパサつきやうねりが治まらない時は、一人で悩まずに担当の美容師さんに相談するのが一番ですよ。あなたの髪の履歴や骨格、ライフスタイルを一番よく知っているプロですから、きっと最適なアドバイスをくれるはずです。
これからも、現場のリアルな目線から大人世代の髪の悩みを解決する情報をバンバン発信していきます。読者の皆様の毎日のヘアケアに少しでも役立てていただけたら嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いいたします!

コメント