こんにちは、現役美容師のKAZUです。キャリアはもう20年を超えちゃいました。日々、10代から80代まで幅広いお客さまの髪を触らせてもらっていますが、特に30代から50代の大人世代のお客さまからいただくお悩みの深さには、いつも真剣に向き合わされます。
「毎月美容室で高いトリートメントをして、おうちでもお高いヘアマスクを使っているのに、全然髪が綺麗にならない!」
こんな風に、夜な夜なネットで「髪質改善」「ヘアケア おすすめ」なんて検索して、ため息をついていませんか?ハッキリ言いますね。それ、完全に「罠」にハマっています。
今回は、トリートメントを必死に頑張っている真面目なあなたにこそ知ってほしい、髪が「傷んで見える」本当の原因について、少し辛口で、でも愛を込めてお話しします。耳が痛いかもしれないけれど、最後まで読めばあなたの髪の悩みの出口がきっと見つかりますよ。
「傷んでいる」と「傷んで見える」は全くの別物
まず、声を大にして言いたいのがここです。あなたが毎日鏡を見て「あぁ、私の髪、今日もボロボロに傷んでいるな……」と落ち込んでいるそのバサバサ感。それ、本当に「ダメージ」のせいだと思いますか?
実を言うと、髪の内部がそこまでスカスカに傷んでいなくても、髪は「傷んで見える」状態になります。逆に、ブリーチを繰り返して内部がかなり傷んでいても、ある条件が整っていれば、パッと見は「ツヤツヤで綺麗な髪」に見せることができるんです。
この違い、何だと思いますか?答えは「光の反射」です。髪が綺麗に見える、つまり「ツヤがある」というのは、髪の表面に当たった光が、きれいに一方向に跳ね返っている(正反射している)状態のこと。逆に、髪が傷んで見えるというのは、光がいろんな方向に散らばって跳ね返っている(乱反射している)状態なんです。
つまり、あなたが一生懸命トリートメントを入れ込んで髪の「中身」を栄養で満たしても、光が乱反射する原因を放置していたら、見た目は1ミリも綺麗になりません。ドブにお金を捨てているようなもの、と言ったら言い過ぎかもしれないけれど、それくらいもったいないことをしているんです。
髪を「傷んで見せる」最大の犯人は毛先にあり
じゃあ、その「光の乱反射」を引き起こしている犯人は誰なのか。それこそが、今回の本題である「毛先」です。トリートメントの効果が出ない!と嘆く人の9割は、毛先の状態がとにかく散らかっています。具体的にどういうことか、2つのパターンで説明しますね。
すかれすぎてペラペラになった毛先
「髪が多いから」「頭を小さく見せたいから」と、美容室に行くたびに「軽めにしてください!すいてください!」ってオーダーしていませんか?これ、30代以上の大人世代がやると、本当に悲惨なことになります。
髪をすくというのは、全体の長さを変えずに、短い髪をたくさん作ってボリュームを減らす技術です。つまり、すけばすくほど、毛先に向かって髪の量が減り、ペラペラになっていきます。ペラペラになった毛先は、重さがないのでちょっとした風や湿気で簡単にハネたり、あちこちに向かって暴れたりしますよね。
この「あちこちに向いた毛先」が、光を四方八方に乱反射させる原因なんです。どんなに最高級のトリートメントで髪の芯を潤わせても、毛先がペラペラで散らばっていたら、パッと見は「パサパサの傷んだ髪」にしか見えません。トリートメントの効果がないんじゃなくて、物理的に毛先が暴れているから汚く見えているだけなんです。
バラバラなカットラインがツヤを奪う
髪の毛って、実は1ヶ月に1〜1.5センチくらい伸びます。でも、すべての毛が同じペースで均等に伸びるわけじゃありません。早く伸びる毛もあれば、途中で寿命を迎えて抜ける毛もあります。だから、カットしてから数ヶ月放置された髪の毛先は、ギザギザで不揃いな状態になっています。
この不揃いな毛先(カットラインの崩れ)も、光の乱反射を招く大敵です。毛先が綺麗に揃っていると、そこに光のまとまりができて「面」としてのツヤが生まれます。でも、毛先がバラバラだと、その「面」が作れず、どうしても毛先がパサついて見えてしまうんです。
大人世代が「毛先」の罠に陥りやすい理由
若い頃は、適当にすいても、それなりにツヤがあってまとまっていたかもしれません。でも、30代、40代、50代と年齢を重ねるにつれて、状況はガラリと変わります。なぜなら、髪の「質」自体が変化しているからです。
髪の水分量と油分量の低下という現実
悲しいけれど、年齢とともに頭皮の水分量や油分量は減っていきます。これはお肌と同じ。当然、そこから生えてくる髪の毛も、若い頃に比べて水分や油分が不足しがちになります。これが、いわゆる「エイジング毛」です。
エイジング毛は、髪の1本1本が細くなったり、微妙にうねったりします。若い頃の健康な髪は、断面が綺麗な丸ですが、エイジング毛は楕円形に変形していることが多いんです。この「うねり」があるだけでも光が乱反射しやすいのに、そこに追い打ちをかけるように「毛先のペラペラ」や「不揃い」が加わったらどうなるか。もう、トリートメントなんかじゃ太刀打ちできないレベルでバサバサに見えてしまうのは当然なんですよ。
若い頃と同じ「すく」カットは今すぐやめて
「昔から髪が多いから、いつもすいてもらっている」という習慣、今すぐアップデートしてください。大人世代の髪は、ただでさえ細くなってボリュームが減りやすいのに、昔と同じ感覚ですいてしまうと、ツヤを失うだけでなく、貧相で老けた印象になってしまいます。
今のあなたに必要なのは、髪を「すいて減らす」ことではなく、適切な「重さ(厚み)」を残して、まとまりとツヤを作ること。カットのやり方ひとつで、あなたの髪の見た目年齢はマイナス5歳にもプラス10歳にもなるんです。
高級トリートメントに課金する前にすべきこと
さて、ここまで読んで「じゃあ、私はどうすればいいの?」と思っているあなた。解決策は、実はとってもシンプルです。美容室のメニュー表にある「1万円のシステムトリートメント」のボタンを押す前に、やるべきことがあります。
1センチの「メンテナンスカット」が最強のトリートメント
傷んで見える最大の原因が「毛先」にあるのなら、その原因を物理的に取り除いてあげるのが一番早くて確実です。そう、カットです。
「髪を伸ばしているから切りたくない」という気持ちも分かります。でも、バサバサに見える毛先を10センチ残して伸ばすのと、綺麗な毛先をキープしながら少しずつ伸ばすの、どちらが美しいですか?答えは明白ですよね。
2ヶ月に1回、ほんの1センチでいいんです。バラついた毛先を揃えて、ペラペラになった部分に少し厚みを戻してあげる「メンテナンスカット」をしてください。これだけで、今使っているシャンプーやトリートメントの効果が、まるで違って見えるはずです。カットこそが、最もコストパフォーマンスの高い「ヘアケア」なんですよ。
毛先に「厚み」を残すオーダー方法
美容室でオーダーするとき、どう伝えていいか分からないですよね。そんなときは、こう言ってみてください。
「毛先がパサついて見えやすいので、すきすぎず、まとまりとツヤが出るように、ある程度厚みを残してカットしてください」
これだけで、プロの美容師なら「あ、このお客さまはちゃんと髪のことを分かっているな」とピンときます。あなたの髪質や骨格に合わせて、すく量を調整し、毛先に綺麗なまとまりを作ってくれるはずです。
毎日のホームケアで「毛先」を見違えさせるコツ
美容室で綺麗にカットしてもらったら、その状態をできるだけ長くキープしたいですよね。おうちでのヘアケアも、少しの工夫で毛先のまとまりが劇的に変わります。難しい専門知識はいりません。今日からできる2つのポイントを教えますね。
乾かし方で毛先の「向き」を整える
お風呂上がり、ドライヤーで髪をどう乾かしていますか?適当にガサガサと振って乾かしているだけなら、それは毛先を自ら暴れさせているようなものです。
髪のツヤとまとまりを作るドライヤーの基本は、「根元から毛先に向かって、風を上から当てること」です。髪の表面にあるキューティクルは、根元から毛先に向かって、ウロコのように重なり合っています。上から風を当てることで、このキューティクルが綺麗に整い、光を綺麗に反射するようになります。
特に中間から毛先にかけては、少し手ぐしで髪を下に引っ張りながら、優しく風を当ててみてください。これだけで、翌朝の毛先のまとまり感が全く違いますよ。めんどくさいかもしれないけれど、毎日のこの5分の意識が、数ヶ月後のあなたの髪を作ります。
アウトバストリートメントの「つける順番」
お風呂上がりに、ヘアオイルやヘアミルクを使っている人は多いと思います。でも、そのつけ方、間違っていませんか?
手のひらにオイルを広げて、いきなりハチ上(頭のてっぺん近く)や髪の表面につけてしまうのは絶対にNG。ベタついてボリュームがなくなる原因になります。正しい順番はこうです。
1. 手のひらにオイルをしっかり伸ばし、指の間まで広げます。
2. 一番パサつきやすく、傷んで見える「毛先」の内側から手ぐしを通すようにつけます。
3. そのまま中間部分に馴染ませます。
4. 手に残ったごくわずかなオイルを、最後に前髪や髪の表面にサッと撫でつけるようにします。
とにかく「毛先が主役」です。一番油分が必要な毛先にしっかり栄養を届けて、他の部分は残りかすで十分。この順番を意識するだけで、毛先のパサつきが抑えられ、自然なツヤが戻ってきます。
まとめ
いかがでしたか?トリートメントを頑張っているのに髪が綺麗に見えないのは、あなたの努力が足りないからでも、使っている商品が悪いからでもありません。ただ「アプローチする場所」がズレていただけなんです。
髪の内部を潤すトリートメントももちろん大切。でも、それ以上に「毛先の状態を整えるカット」と「毛先をいたわる日々の扱い」が、大人のツヤ髪を作るためには不可欠なんです。高いお金を払ってトリートメントの回数を増やすより、信頼できる美容師さんに髪のベースを整えてもらう方が、ずっと早く、ずっと綺麗にあなたのお悩みは解決しますよ。
とはいえ、自分の髪が今どういう状態で、どうカットすべきなのかは、自分ではなかなか判断しづらいもの。もし今の髪に限界を感じているなら、悩みがあれば、担当の美容師さんに相談するのが一番ですよ。きっとあなたの髪の歴史や好みを理解した上で、ベストな提案をしてくれるはずです。
これからも、皆さんの髪がもっと美しく、毎日が楽しくなるような本音のヘアケア情報を発信していきます。読者の皆様、これからも見ていただけるように、よろしくお願いします。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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