トリートメントしながら体を洗う人、今すぐやめて!良かれと思った「その放置」が老け髪を作る理由

こんにちは、現役美容師のKAZUです。

原宿や青山でハサミを握り続けて20年以上。これまで、30代から50代の大人世代の髪を、それこそ何万人と触ってきました。その中で、僕がカウンセリングのときにお客さんから聞いて、ずーーーっと気になっていた「お風呂場でのある習慣」があるんです。

それがこれ。

「トリートメントをつけている間、時間がもったいないから体を洗って放置しています!」

これね、本当にたくさんの方がドヤ顔で言われるんです。「私、ちゃんとヘアケアに時間かけてますよ」って。良かれと思って、少しでも髪に栄養を浸透させようと頑張っているその気持ちは、めちゃくちゃよく分かります。健気で素晴らしいです。

でもね、プロの僕から言わせてもらうと……。

「今すぐやめて! それ、髪が綺麗になるどころか、自ら進んで『老け髪』を作りにいってますから!」

今回は、なぜその「良かれと思った放置」があなたを老け見えさせるのか、キャリア20年の本音と少しの毒舌を交えて、徹底的に解説していきますね。耳が痛いかもしれないけれど、あなたの髪を10歳若返らせるために、心を鬼にしてお伝えします。

トリートメントは長く置けば置くほど効くという大いなる勘違い

まず、大前提として知っておいてほしい現実があります。それは、「トリートメントを髪につけておく時間と、髪が綺麗になる度合いは比例しない」ということです。

多くの人が「5分置くより10分、10分置くより20分置いた方が、成分が奥まで染み込んでツヤツヤになるはず!」と思い込んでいます。お風呂の時間を有効活用するために、トリートメントを塗った状態で体を洗ったり、湯船に浸かったりしているんですよね。

でも、髪の毛って「スポンジ」じゃないんです。無限に水分や油分を吸い込めるわけではありません。髪が一度に吸収できるトリートメントの量には、明確な「限界値」があります。

ぶっちゃけて言うと、一般的なトリートメントが髪に浸透するのに必要な時間は、せいぜい「3分から5分」です。それ以上どれだけ長く置いたところで、髪の内部に入り込む量は1ミリも増えません。ただ髪の表面に余計な油分がへばりつくだけ。意味がないどころか、むしろこれから説明する恐ろしいデメリットを引き起こす原因になるんです。

放置している間に頭皮と顔に垂れてくる恐怖の油分

トリートメントをつけたまま体を洗っているとき、あなたの頭の上では何が起きているでしょうか?

お風呂場の中は、湿気と熱気でいっぱいです。その温かい空間にいると、髪につけたトリートメントは体温と湿気でゆるくなり、じわじわと根元や頭皮に向かって垂れてきます。また、体を洗うときのシャワーのしぶきや、動いたときの振動で、おでこや首筋、背中へと流れ落ちていくんです。

これが本当にマズい。

トリートメントという製品は、そもそも「髪の毛(特にダメージのある中間から毛先)」を補修するために作られたものであって、頭皮や肌につけるようには作られていません。非常に濃厚な油分や、髪をコーティングするための成分(シリコンなど)がたっぷり含まれています。

それが体を洗っている間の5分、10分の間に、あなたのデリケートな頭皮の毛穴にピタッと張り付きます。さらに、おでこの生え際や、背中、デコルテにもべったりと付着する。これがどうなるか、想像できますよね?

毛穴が詰まり、頭皮環境は一気に悪化します。おでこのニキビや、原因不明の背中ニキビに悩んでいる大人世代の方、結構いませんか? それ、もしかしたら体を洗っている間に垂れてきたトリートメントの油分が原因かもしれませんよ。

頭皮の詰まりが細毛とうねりを生んで老け髪を加速させる

「でも、私はちゃんと最後によく流しているから大丈夫!」と思ったあなた。甘いです。

一度頭皮の毛穴に入り込んで固まったトリートメントの油分は、シャワーでサーッと流したくらいでは簡単には落ちません。毎日毎日、体を洗う間の放置タイムに油分が頭皮に蓄積されていくと、毛穴がどんどん塞がれていきます。

30代を過ぎると、ただでさえ女性ホルモンの変化や頭皮のエイジングによって、髪の毛の「ハリ・コシ」が失われ、髪が細くなってきます。そんな弱っている毛根に、トリートメントの油分で蓋をしてしまったらどうなるでしょうか?

毛根が圧迫され、新しく生えてくる髪の毛がさらに細くなってしまいます。しかも、毛穴が詰まって歪むことで、生えてくる髪が「うねり」を帯びてしまうんです。これが、大人世代を悩ませる「うねり毛」「アホ毛」「ジリジリした毛」の正体です。

さらに、根元の毛穴が油分でベタついているため、髪の根元がペタンと潰れてしまいます。トップのボリュームが出ず、横に広がって、毛先だけが不自然に重い。この「トップペタンコ、毛先ボサボサとうねり」のシルエットこそが、見た目年齢を実年齢+5歳以上に見せてしまう、最悪の「老け髪」なんですよ。

お風呂の湿気でせっかくのトリートメントが薄まっている

もう一つ、実用的な話をしましょう。トリートメントをつけたまま体を洗っている間、あなたの髪は無防備に湿気にさらされています。

「湿気がある方が浸透しそう」と思うかもしれませんが、逆です。お風呂場の水分や、体を洗うときのシャワーの飛沫が髪に当たると、髪に塗ったトリートメントがどんどん水で薄まり、流されてしまいます。

結果として、髪をケアするために高価なトリートメントを使っているはずなのに、浸透する前にその大半がお風呂の床に流れ落ちている、なんてことになりかねません。ドブにお金を捨てているようなものです。もったいないと思いませんか?

トリートメントを効果的に効かせるためには、適切な水分量の中で、短時間できちんと定着させることが鉄則なんです。

プロが教える大人世代のための正しいトリートメントの流儀

じゃあ、どうすればいいのよ!って思いますよね。ここからは、髪を傷ませず、頭皮を守り、最大限にトリートメントの効果を引き出す「正しいプロセス」を伝授します。明日から、いや、今夜からすぐに実践してください。

シャンプーの後はこれでもかと水気を切る

シャンプーを流した後、髪がびしょびしょのままトリートメントをつけていませんか? それ、絶対にNGです。髪が水分で満タンになっている状態だと、トリートメントが中に入り込めず、表面で滑って落ちてしまいます。

シャンプーをしっかりすすいだら、手でぎゅっと髪を握って、しっかり水気を切ってください。ロングヘアの人は、優しくタオルで水分を吸い取るくらい(タオルドライ)してもいいくらいです。この「水気を切る」ステップを丁寧に行うだけで、トリートメントの効果は2倍になります。

つけるのは中間から毛先だけ、根元は絶対につけない

トリートメントを手のひらに伸ばしたら、まずは一番ダメージが気になる「毛先」に揉み込むようにつけます。そのあと、手ぐしを通しながら「中間」まで馴染ませます。

耳より上の髪や、頭頂部、根元付近には絶対につけないでください。手に残ったわずかな分量を、前髪の毛先にチョチョッとつけるくらいで十分です。頭皮につけるのは論外ですよ。

目の粗いコームで優しく一通しする

手だけでつけると、どうしても塗りムラができます。ここで登場するのが、目の粗い「コーム(クシ)」です。お風呂場用にプラスチック製のものを一本置いておいてください。

トリートメントをつけたら、毛先から優しく、絡まりをほどくようにコーミングします。これによって、トリートメントが髪の毛1本1本に均一に行き渡ります。このひと手間で、放置時間を長くするより遥かに高いツヤ感が生まれます。

放置時間は3分で終了、すぐにしっかりすすぐ

コームを通したら、そのまま「3分」だけ待ちます。体を洗うのは、この3分が終わって、トリートメントを「完全に洗い流した後」にしてください!

順番を変えるだけです。まず髪を洗って、トリートメントをつけて3分置く。その間は、湯船に浸かるか、顔でも洗っていましょう。3分経ったら、ぬるつきがなくなるまで、しっかりと髪と頭皮をすすぎます。特に耳の後ろや首元は残りやすいので念入りに。

トリートメントを完璧に洗い流し、髪をクリップなどでまとめてから、おもむろに体を洗い始めてください。これなら、トリートメントの成分が頭皮に留まることも、体に付着して肌荒れを起こすこともありません。

30代からのヘアケアは引き算の美学と心得るべし

20代の若い頃は、髪に自己修復力というか、若さゆえのパワーがあるので、多少雑なケアをしていても勢いでカバーできました。でも、30代、40代、50代と重ねていくと、髪はどんどんデリケートになっていきます。

大人世代のヘアケアで一番大切なのは、「とにかく栄養をたくさん与えること」ではなく、「余計な負担をかけないこと」なんです。つまり「引き算の美学」です。

過剰な油分で髪をベタベタに重くするのではなく、必要な分だけをスマートに補給して、髪本来の軽やかさと、自然な根元の立ち上がりを取り戻す。これが、大人の上品な「若見え髪」を作るための最短ルートです。

あなたが「髪のために」と思って一生懸命やっていた長時間の放置が、実は髪を重くし、頭皮を痛め、老け髪を作っていた。この事実に気づけた今日から、あなたの髪は変わり始めます。お風呂場でのルーティン、今夜から順番を入れ替えてみてくださいね。数週間後には、根元の立ち上がりと、髪の軽さに驚くはずですから。

今回は少し厳しいことも言いましたが、すべてはあなたの髪にいつまでも美しく、若々しくいてほしいからこそ。間違ったネットの情報に振り回されず、正しい知識でシンプルなケアを心がけましょう。

ただ、髪の状態や頭皮のコンディションは、本当に人それぞれ違います。もし、「私の髪質にはどんなトリートメントが合うんだろう?」「今のケアで本当に合っているのかな?」と悩みがあれば、担当の美容師さんに相談するのが一番ですよ。あなたの髪を一番よく知っているプロのアドバイスこそ、最高の特効薬になりますからね。

読者の皆様、最後までお読みいただきありがとうございました。これからも、大人世代の髪の悩みに寄り添い、現役美容師としての本音と正しいヘアケア情報を発信していきますので、よろしくお願いします!

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