こんにちは、現役美容師のKAZUです。
美容師歴も気づけば20年を超えました。これまで、数え切れないほどのお客様の髪を触らせていただき、たくさんの悩みを聞いてきました。特に30代から50代の大人世代のお客様から、毎日のように相談されるのが「ヘアカラーの色落ち」についてです。
「染めたては綺麗なのに、2週間も経つとパサパサのヤンキーみたいに黄色くなっちゃう」
「白髪染めが色落ちして、なんだか疲れた印象に見えるのが嫌」
うん、めちゃくちゃ分かります。せっかく美容室でお金と時間をかけて綺麗に染めたのに、あっという間に色褪せていくのって、本当にガッカリしますよね。でもね、ここでプロとして、あえて少し辛口な本音を言わせてください。
その色落ち、髪の「劣化」だと思っていませんか?「色落ち=汚くなること」って、諦めていませんか?
ハッキリ言います。それは大きな間違いです。そして、そうやって色落ちを「汚い劣化」にしてしまっている原因の9割は、あなたが毎日なんとなく使っている「シャンプー」にあります。
今日は、退色を「劣化」と呼ばせず、むしろ「色落ちするほどに味わい深く、美しくなる髪」を手に入れるためのシャンプーの選び方を、包み隠さずお話しします。少し耳が痛い話もあるかもしれませんが、本気で髪を綺麗にしたい人は、最後まで付き合ってくださいね。
色落ちを「劣化」にする人と「美しい変化」にする人の決定的な違い
お気に入りのジーンズを思い浮かべてみてください。穿き込むほどに、自分の体に馴染んで、良い感じに色落ちしたヴィンテージデニムって、すごくかっこいいですよね。誰もそれを「劣化したボロボロのズボン」とは呼びません。それは、ベースとなる生地(デニム)が上質で、大切に扱われているからです。
髪の毛のカラーも、実はまったく同じなんです。
上質な髪に、正しいケアをしてあげていれば、色落ちの過程すら「ニュアンスのある美しいグラデーション」や「透明感のあるベージュ」に変化していきます。僕たちプロは、実はこの「色落ちしていく過程の美しさ」まで計算してカラーを塗っています。
それなのに、なぜあなたの髪は、色落ちするとただの「パサついた黄色い髪」や「赤茶けた疲れた髪」になってしまうのか。
理由はシンプル。髪の土台がボロボロな状態で、さらに毎日、髪のライフラインである「シャンプー」で、色と栄養をガリガリ削り落としているからです。これでは、どんなに高級なサロンで染めても、2週間後には悲惨な状態になって当然なんです。
あなたのシャンプー、食器用洗剤と同じ洗浄力じゃない?
ここでちょっと、あなたの浴室にあるシャンプーの裏面を見てみてください。
「水」の次に書いてある成分は何ですか?もしそこに「ラウレス硫酸ナトリウム」とか「オレフィン(C14-16)スルホン酸ナトリウム」って書いてあったら……要注意。というか、今すぐその使い方を見直してほしいレベルです。
これらは、一言で言うと「めちゃくちゃ洗浄力が強い成分」です。どれくらい強いかというと、キッチンにある食器用洗剤と似たようなレベル。ギトギトの油汚れを落とすのには最高ですが、繊細なヘアカラーを施した大人の髪に使うのは、砂漠に熱湯をかけるようなものです。
こんなに強い洗浄力のシャンプーで毎日ガシガシ洗っていたら、髪のキューティクルは開きっぱなしになり、せっかく入れたカラーの染料は、毎日排水溝へと垂れ流されていきます。さらに、30代を過ぎて頭皮の水分量や油分量が減ってきた大人世代の髪から、必要な潤いまで根こそぎ奪い取ってしまう。その結果が、あの「パサパサで色褪せた悲しい髪」なんです。
「でも、泡立ちが良いし、スッキリ洗えるから気持ちいいんだよね」という気持ちも分かります。でも、その一時的な「スッキリ感」の代償として、あなたの髪の寿命と美しさを差し出しているということに、いい加減気づいてくださいね。
色落ちするほど美しくなるシャンプーの選び方
じゃあ、一体どんなシャンプーを選べば、退色を「美しい変化」に変えられるのか。20年のキャリアを持つ僕が、3つの絶対条件を教えます。ドラッグストアやネットでシャンプーを買うときの基準にしてください。
アミノ酸系、またはベタイン系の洗浄成分を選ぶこと
まず最優先すべきは、シャンプーの「顔」である洗浄成分です。先ほどお話しした強い洗浄成分ではなく、髪や頭皮と同じ成分である「アミノ酸」で作られた洗浄成分のものを選んでください。
具体的には、成分表示に「ココイルグルタミン酸〜」「ラウロイルメチルアラニン〜」といった、ちょっと呪文みたいな名前が書いてあるものです。また、「コカミドプロピルベタイン」などのベタイン系と呼ばれる成分も、赤ちゃん用シャンプーに使われるほど優しくて優秀です。
これらの成分は、汚れだけを優しく落とし、髪に必要な水分やカラーの染料をしっかり髪の内部に留めてくれます。洗うたびに髪に栄養を与えるようなイメージですね。「洗う=ケアする」という感覚を、まずは頭に叩き込んでください。
ヘマチンが配合されているものを選ぶこと
美容マニアの方なら聞いたことがあるかもしれませんが、「ヘマチン」という成分が入っているシャンプーは、カラーヘアの強い味方です。
ヘマチンには、カラー剤の残留アルカリ(髪を傷める原因になる、カラー後に髪に残ってしまう悪い成分)を除去してくれる働きがあります。これを取り除かない限り、カラー後も髪の内部でダメージが進行し続け、色落ちがどんどん加速してしまいます。
さらに、ヘマチンは髪の主成分であるケラチンと結びついて、傷んだ髪を補修し、ハリやコシを与えてくれる効果もあります。シャンプーの液体の色が「黒」や「茶色」っぽいものは、このヘマチンが高濃度で入っている証拠。見つけたら、ぜひ試してみてください。
補修成分にケラチンやPPTが入っているものを選ぶこと
30代〜50代の髪は、加齢やダメージによって、髪の内部がスカスカの「ちくわ」のような状態になりがちです。内部がスカスカだと、カラーをキープするポケットがないため、一瞬で色落ちしてしまいます。
だからこそ、髪の内部を隙間なく埋めてくれる「ケラチン」や「加水分解シルク」「加水分解コラーゲン」といったPPT(タンパク質)成分が配合されているものを選んでください。
これらが入っているシャンプーを使うと、髪の芯がしっかりして、色持ちが良くなるだけでなく、乾かしただけでツヤとまとまりが出るようになります。色落ちしても、髪自体にツヤとコシがあれば、それは「くすんだ綺麗なアッシュ」や「柔らかいベージュ」に見えるんです。
大人のための、正しい「色落ちコントロール」の裏技
ここまで読んで、「よし、シャンプーを変えよう!」と思ってくれたあなたに、もう一歩進んだプロの技を教えます。
それは、「カラーシャンプー」の賢い使い方です。
最近は、ピンクや紫、アッシュなどの色がついたシャンプーが簡単に手に入るようになりましたよね。これを普段のシャンプーと併用することで、色落ちを完全にコントロールできます。
特に30代〜50代の方におすすめしたいのが、「紫シャンプー(通称ムラシャン)」や「ブラウンシャンプー」です。
日本人の髪は、色落ちするとどうしても黄色や赤っぽく、下品になりがちです。そこに少量の紫を補色として入れてあげることで、嫌な黄色みを消し、上品なミルクティーのようなベージュをキープできます。白髪染めをしている方は、マイルドなブラウンシャンプーを週に2回ほど使うだけで、次回の美容室までの白髪の目立ち方が劇的に変わります。
ただし、ここで一つ注意。カラーシャンプーはあくまで「色を補うもの」であって、髪を修復する力は弱いことが多いです。毎日これだけで洗っていると、逆に髪がキシキシしてしまうこともあります。
基本は先ほどお話しした「アミノ酸系のケアシャンプー」を毎日使い、週に1〜3回程度、色を補うためにカラーシャンプーを使う。この「ダブル使い」こそが、退色を劣化と呼ばせない最強の裏技です。
あなたの髪は、もっともっと美しくなれる
年齢を重ねるごとに、髪の悩みは増えていきますよね。細くなったり、ツヤがなくなったり、白髪が増えたり。それは自然なことです。でも、だからといって「もう若くないから」「色落ちするのは仕方ないから」と諦めてしまうのは、本当にもったいない!
お肌のお手入れと同じで、髪も正しい手をかけてあげれば、必ず応えてくれます。今日から使うシャンプーをちょっとだけこだわってみる。それだけで、2ヶ月後のあなたの髪のツヤ、色持ち、そして周りからの褒め言葉は、劇的に変わるはずです。
退色を「あきらめ」にするのではなく、日々の変化を愛せる「大人の余裕」に変えていきましょう。あなたの髪は、まだまだ、もっともっと美しくなれますよ。
とはいえ、髪質や頭皮の状態、今しているカラーの薬剤によって、本当にベストなシャンプーは一人ひとり違います。ネットの情報だけで迷ってしまったら、悩みがあれば、担当の美容師さんに相談するのが一番ですよ。あなたの髪を一番よく知っているプロが、きっと最高の味方になってくれるはずです。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。読者の皆様に、これからも「本当に役立つ髪のリアル」をお届けしていきますので、これからも見ていただけるように、よろしくお願いします。それでは、また次回のブログでお会いしましょう!

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