こんにちは、現役美容師のKAZUです。
美容師歴も20年を超えて、これまで何万人もの髪を見させてもらってきました。夏になると、サロンに来るお客様から必ずと言っていいほど聞く悲鳴があります。「KAZUさん、海(プール)に行ったら髪がホウキみたいにチリチリになっちゃって……どうにかしてください!」というSOSです。
ハッキリ言わせてもらいますね。泳いだ後にいくら高いトリートメントをサロンで頼んだって、一度塩素や海水でスカスカに抜けてしまった水分やタンパク質を100%元通りにするのは至難の業です。せっかく普段からカラーやトリートメントに時間とお金をかけて綺麗にしていても、たった数時間のプールや海で、半年分くらいのダメージを一気に背負い込むことになります。正直、めちゃくちゃもったいないです!
特に30代から50代の大人世代の髪は、10代や20代の頃のような「勝手に復活する体力」は残っていません。だからこそ大切なのは、傷んでからのケアではなく「入る前の防御」なんです。今回は、海やプールに入る前のたった1分で髪のバサバサを激変させる、プロ直伝の事前コーティング術をお話しします。
大人の髪がプールや海で一気に老け込む残酷な現実
少し辛口になりますが、現実をお伝えしますね。30代を過ぎると、髪の内部にある脂質や水分を保つ力がどうしても弱くなってきます。さらに白髪染めやパーマを重ねている髪は、言わば「防御壁(キューティクル)がもともと薄くなっている状態」です。
そこに、強い日差し(紫外線)と、プールの塩素や海の塩水がダイレクトに入り込んだらどうなると思いますか?髪の毛のタンパク質が容赦なく破壊され、一気に色が抜けてパサつき、手触りはまるでタワシ。見た目年齢が一気に5歳、いや10歳くらい老けて見えてしまうんです。
「でも、子どもやパートナーと一緒に夏を楽しみたいし、泳ぐななんて無理!」ですよね。私も「泳ぐな」なんて野暮なことは言いません。楽しむのは大賛成です。ただ、「無防備なすっぴん髪のまま飛び込むのは絶対にやめてくれ」と言いたいのです。
なぜ傷む?塩素と海水が髪の水分を奪うメカニズム
事前ケアの方法を知る前に、どうして海やプールが髪に悪いのか、専門用語抜きでわかりやすく説明しますね。これを知っておくだけで、ケアの意識が180度変わります。
プールの塩素は髪のタンパク質を溶かす漂白剤のようなもの
プールの水には、強力な殺菌作用を持つ「塩素」が入っています。この塩素、実は髪の主成分であるタンパク質を壊す性質があるんです。塩素の入った水に濡れたまま紫外線を浴びると、髪の表面を覆っているキューティクルが剥がれ落ち、内部の水分が全部外に逃げていきます。これが、泳いだ後の「ギシギシ・バサバサ」の正体です。
海水の塩分と強いアルカリ性が水分を奪い去る
海は海でまた別の凶器になります。海水は弱アルカリ性なので、髪につくとキューティクルが無理やりパカッと開いてしまいます。そこに塩分が入り込み、浸透圧の力で髪の芯にある水分をギュッと外に吸い出してしまうんです。さらに海から上がって乾く過程で塩の結晶が残り、髪をヤスリで削るように傷めつけてしまいます。
海・プールに入る前の1分で激変!プロ直伝の事前コーティング術
さて、ここからが本題です。この恐ろしいダメージから髪を守るために、泳ぐ直前の「たった1分」でできるプロの裏ワザを伝授します。用意するものは、シャワールームの水と、いつも使っているヘアオイル(またはミルク)だけです。
ステップ1:真水で髪の毛を芯まで限界まで濡らす
これが一番重要で、最大の秘訣です。更衣室から出る前、あるいはプールサイドのシャワーで、水道水(真水)を使って髪の毛の芯までビチャビチャに濡らしてください。「毛先だけサッと濡らす」のはNGです。頭皮から毛先まで、完全に水分を含ませます。
髪の毛を「スポンジ」だと思ってください。カラカラに乾いたスポンジをプールの水に浸けたら、塩素たっぷりの水をグングン吸い込んでしまいますよね。でも、あらかじめ綺麗な真水でタプタプに満たされたスポンジなら、後から塩素や海水が入ってくる隙間がほとんどありません。これだけで、ダメージを半分以下に抑えられます。
ステップ2:ヘアオイルで強力な油膜バリアを張る
真水でしっかり濡らしたら、軽く手で水分を絞り、その上からアウトバストリートメント(ヘアオイルやミルク)を、普段の2倍くらいの量でしっかりと馴染ませます。「ちょっとつけすぎかな?」と思うくらいでちょうどいいです。
水と油は弾き合いますよね。真水を吸わせた髪の上から油分でフタ(コーティング)をしてあげることで、プールの塩素や海水が髪に接触するのを徹底的にブロックします。シリコン入りのオイルや、ホホバオイル・椿油などの重ためのオイルが特に効果的です。
ステップ3:髪をきつくまとめて露出面積を減らす
髪が長い方は、コーティングした後に必ず高い位置でお団子にするか、きっちり三つ編みに結んでください。髪を下ろしたままだと、水との摩擦でキューティクルが擦れ合い、せっかくの油分も流れ落ちやすくなります。きゅっとコンパクトにまとめることで、水に触れる表面積を最小限に抑えることができます。
泳いだ後のケアも手抜き厳禁!バサバサ髪を防ぐアフターケア
事前コーティングで9割のダメージは防げますが、泳いだ後の「後処理」もサラッとおさらいしておきましょう。
プールや海から上がったら1秒でも早く真水で洗い流す
泳ぎ終わったら、髪を乾かす前にとにかく真水のシャワーで塩素や塩分をしっかり洗い流してください。濡れたまま放置して日光を浴びるのが一番危険です。
タオルでゴシゴシ擦らない
水で濡れた髪は非常にデリケートです。タオルで乱暴にワシャワシャ拭くのは厳禁。タオルに髪を挟み、ポンポンと優しく叩くようにして水分を取りましょう。その後、もう一度軽くオイルをつけてから乾かせば完璧です。
正しい知識で大人の夏を思いっきり楽しもう
髪を傷めたくないからといって、夏のレジャーを我慢する必要なんてまったくありません。大人世代に必要なのは、我慢ではなく「ちょっとした正しい知恵」です。「真水で満たして、油でフタをする」というたった1分の手間で、海やプールから帰った後の髪の手触りが驚くほど変わります。次の週末、泳ぎに行く予定がある方はぜひ試してみてくださいね。
もちろん、髪質や普段のカラー・パーマの履歴によって、あなたに一番合うオイルの種類やヘアケア方法は微妙に変わってきます。「自分の髪に合うアイテムが知りたい」「すでにダメージが気になっている」という場合は、悩みがあれば、担当の美容師さんに相談するのが一番ですよ。あなたの髪の歴史を一番よく知っているプロですから、きっと心強い味方になってくれるはずです。
これからも、現役美容師の本音と大人のための実践的なヘアケア情報をどんどん発信していきます。読者の皆様、これからもブログを見ていただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします!

コメント