こんにちは、現役美容師のKAZUです。キャリア20年以上、毎日いろんな髪の悩みを持つお客さまと向き合っていますが、最近特に多いのが30代から50代の大人世代からの「髪が細くなってきて、ボリュームが出ない」という切実な声です。
「昔はもっと量があったのに、最近トップがペタンコ…」「髪が細いから、ボブにするとおにぎりみたいになりそう」「ペタンコ髪の私がボブにしたら、頭に張り付いたみたいで悲惨なことになるんじゃない?」そんな風に思い込んで、やりたい髪型を諦めていませんか?
はっきり言います。それ、大きな勘違いですから!
実は、髪が細くてボリュームが出にくい人こそ、カットのやり方次第で劇的にふんわり見せることができるのが「ボブ」なんです。今回は、長年のキャリアから導き出した「大人のボリュームボブ」の秘密を、ちょっと辛口に、でも愛を込めてたっぷりお話ししますね。
髪が細いからボブは無理という大いなる誤解
まず、声を大にして言いたい。髪が細い人が無理をしてロングやミディアムヘアを維持している方が、よっぽどペタンコに見えて実年齢より老けて見えやすいんです。なぜだと思いますか?
理由はシンプル。髪の重さです。髪が長ければ長いほど、その自重で根元が下に引っ張られます。細い髪はただでさえコシがないのに、長さを残したら重力に負けて頭皮にピタッと張り付いてしまうのは当たり前ですよね。結果として、トップはペタンコ、毛先はパサパサでスカスカ…という、一番避けたい「お疲れ感」が出てしまうわけです。
だったら、短くすればいい。でも「ボブにしたら横に広がってこけしみたいになる」とか「ただのペタンコおかっぱになる」と怯える人が多い。それはね、あなたの髪質のせいじゃありません。カットのデザインと、担当した美容師の技術のせいです。正しいアプローチをすれば、細い髪にこそボブは最強の味方になります。
ペタンコ髪を救う大人のボリュームボブの条件
じゃあ、大人のペタンコ髪を劇的にふんわりさせるボブって、一体どんなものなのか。これには絶対に外せない、プロならではの条件があります。ここを間違えると、ただの「薄いおかっぱ」になってしまうので要注意ですよ。
すきバサミでスカスカにしないこと
一番やっちゃいけないのが、軽さを出そうとして「すきバサミ」で毛量を減らしすぎること。これ、本当に多くの美容室でやられがちな悲劇です。髪を軽くすれば立ち上がると思っている美容師が多すぎます。
細い髪をすきバサミで根元からスカスカにすると、髪の「支え」がなくなって余計にペタッと潰れます。さらに、毛先がパサついてまとまらなくなり、ツヤまで消え去ります。大人のボブに必要なのは、スカスカの軽さではなく、髪同士が押し合って生まれる「内側のボリューム」なんです。ハサミの角度やスライドカットで、髪の間に空気の隙間を作るようなカット。これがプロの技です。
あごラインの長さ設定がベストな理由
大人のボリュームボブにおいて、長さの設定は命です。ベストなのは「あごライン」から「肩上」の長さ。これより長いと、さっき言った「重さ」でトップが潰れます。逆に短すぎると、今度は顔の輪郭が強調されすぎてハードルが上がります。
あごラインでピシッとカットラインを決めてあげることで、毛先に厚みが生まれ、視線が上に誘導されます。首元をすっきり見せることで、首が細く長く見え、全体のスタイルが劇的にスタイルアップする効果もあるんですよ。重さと軽さの絶妙なバランス、これが大人の色気とボリュームを両立させます。
トップと顔まわりにだけレイヤーを入れる
「ボブ」と一口に言っても、昔ながらのワンレングス(全部同じ長さに揃えるカット)は、細毛さんには正直おすすめしません。三角形に広がって頭頂部が凹んで見えるからです。
じゃあどうするか。ベースは重めのボブにしつつ、トップ(頭のてっぺん)と顔まわりにだけ、ほんの少し「レイヤー(段差)」を入れます。この「ほんの少し」がポイント。これによって、風が吹いたときや手ぐしを通したときに、トップの髪がふんわりと動いて空気感を作ってくれます。全体は重く見えてまとまるのに、動くと軽い。この二面性こそが、ペタンコ髪を救うトリックです。
大人世代が美容室で失敗しないオーダー方法
さて、ブログを読んでいるあなた。「よし、ボブにしよう!」と思って美容室に行ったものの、仕上がりがイメージと違ってガッカリ…なんて経験、一度はあるはず。美容師に自分の悩みを正しく伝えるのって難しいですよね。ここでは、失敗しないためのオーダーのコツを伝授します。
悩みを具体的に打ち明ける
ただ「ボブにしてください」と言うのは絶対にNG。美容師に「何が一番嫌なのか」「どうなりたいのか」をしっかり伝えてください。
「髪が細くなってきて、トップが潰れるのが本当に悩みなんです」「すきバサミでスカスカにされるとまとまらないので、重さは残しつつ、ふんわり動くようにしてください」こう言われて、嫌な顔をする美容師はいません(もし嫌な顔をされたら、すぐにその店を変えましょう)。自分のコンプレックスをさらけ出すことこそ、理想の髪型への近道です。
なりたいイメージの写真を最低3枚は見せる
「写真を見せるのって恥ずかしい」なんて、昭和の古い考えは今すぐ捨ててください。言葉のニュアンスだけでヘアスタイルを共有するのは、プロ同士でも不可能です。あなたが思う「ふんわり」と、美容師が思う「ふんわり」は絶対に違います。
写真は、全く同じ顔の人である必要はありません。「この写真の全体のシルエットが好き」「この写真の前髪の雰囲気がいい」「この写真の全体の長さが好み」というように、部分的なこだわりでも構いません。3枚ほど見せてもらえれば、私たちはあなたの好みの共通点をプロの目で瞬時に見抜きます。
自宅で劇的ふんわりを作る神スタイリング術
いくら美容室で完璧にカットしてもらっても、次の日から自分で再現できなきゃ意味がないですよね。ここからは、不器用さんでも絶対にできる、自宅でのボリュームアップ術をお教えします。これ、毎日の習慣にするだけで全然違いますよ。
ドライヤーは後ろから前に向かってかける
シャンプーの後、どうやって乾かしていますか? もし上から下に向かって、お行儀よく乾かしているなら今すぐやめてください。それ、自分で髪をペタンコに潰しています。
正解は「下から上へ」「後ろから前へ」です。特にペタンコになりやすいトップや前髪の根元は、地肌を指の腹でこするようにしながら、左右いろんな方向から風を当ててください。根元をしっかり立ち上げるように乾かすだけで、乾いたときに自然なボリュームが出ます。完全に乾く直前に、分け目とは逆の方向から風を当てるのも裏技です。
大人はスタイリング剤をケチるな、でも付け方を間違えるな
「スタイリング剤を付けると、重さでベタッとするから何も付けない」という大人女子が多すぎます。これも大いなる間違い! 何も付けない髪は、湿気や乾燥に負けてすぐに潰れます。
使うべきは、軽めのオイル、またはスプレーワックスです。
オイルを使う場合は、手のひらにしっかり伸ばした後、まず「後頭部の内側」から手ぐしを通すように付けます。手に残ったごく少量のオイルを、最後に髪の表面と毛先にだけ馴染ませます。絶対に最初から頭頂部や前髪の表面にペタッと付けないこと。油分で根元が死んでしまいます。正しく使えば、一日中ふんわり感がキープできますよ。
大人ボブをさらに輝かせるプラスアルファのケア
髪型が決まったら、次にこだわりたいのが「髪の質感」と「頭皮」です。30代を過ぎたら、髪のエイジングケアは避けて通れません。細い髪にハリとコシを取り戻すための、ちょっとしたアドバイスもしておきますね。
頭皮ケアをサボらないこと
豊かな土壌からしか良い作物が育たないように、健康で元気な髪は、健康な頭皮からしか生まれません。毛穴が詰まっていたり、頭皮が硬く凝り固まっていると、生えてくる髪はどんどん細く、元気がなくなっていきます。
週に1〜2回の頭皮用クレンジングシャンプーや、お風呂上がりの頭皮用美容液(スキャルプエッセンス)を習慣にしてみてください。指の腹で頭皮を優しく動かすようにマッサージするだけで、血行が良くなり、根元からの立ち上がりが変わってきます。1ヶ月、3ヶ月と続けるうちに、「あれ? 最近髪がしっかりしてきたかも」と実感できるはずです。
自分の髪をもっと愛してあげて
「もう若くないから」「髪質が悪いから」と、自分の髪を否定的に捉えてしまう気持ちはよく分かります。でも、年齢を重ねたからこそ似合う、上品で知的なボブスタイルが絶対にあります。細くて柔らかい髪質は、見方を変えれば「上品で、女性らしい柔らかさを表現しやすい」という素晴らしい武器なんです。硬くて太い髪の人には出せない、あのアンニュイで洗練された空気感を作れるのは、あなたの髪質だからこそなんですよ。
髪型が変わると、メイクが変わります。着たい服が変わります。そして何より、鏡を見る自分の表情がパッと明るくなります。たかが髪型、されど髪型。あなたの魅力を引き出すお手伝いをすることが、僕たち美容師の使命です。
もし今の髪型にしっくりきていないなら、一人で悩まずに、信頼できるプロを頼ってくださいね。髪の悩みがあれば、担当の美容師さんに相談するのが一番ですよ。あなたのライフスタイルや好みを一番よく知っているパートナーですから、きっと素敵な提案をしてくれるはずです。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事が、あなたの新しい一歩のきっかけになれば嬉しいです。読者様にこれからも見ていただけるように、有益な情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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