美容師の「今日はお風呂入らなくていい」を無視すると損をする?髪の寿命を左右する“魔法の24時間”の正体
こんにちは、現役美容師のKAZUです。美容師歴も20年を超えると、お客様の髪を見ただけで「あ、この人、昨日の夜シャンプーしたな」とか「あ、アドバイス無視してガシガシ洗ったな」というのが手に取るようにわかるようになります。超能力じゃありませんよ。それくらい、美容室帰りの“初夜”の過ごし方は、その後の髪の状態に露骨に現れるんです。
よく美容室の帰りに「今日はシャンプー控えてくださいね」って言われませんか? あれ、社交辞令でもなんでもない、プロからの切実な「警告」です。今回は、なぜ僕たちがそんなことを言うのか、その裏側にある「魔法の24時間」の正体について、少し辛口にお話ししようと思います。30代から50代、髪の曲がり角を感じている皆さんは特に、耳をかっぽじって聞いてくださいね。
美容師が言う「洗わないで」は単なるアドバイスではない
ぶっちゃけて言いますけど、僕たち美容師は、あなたが家でシャンプーしようがしまいが、僕たちの懐が痛むわけじゃありません。それでも「洗わないで」と言うのは、単純に「もったいないから」です。あなたが今日、美容室で支払った1万5千円、2万円という大切なお金。それを、帰宅後のたった10分のシャンプーでドブに捨てるような真似をしてほしくないんです。
ヘアカラーにしてもパーマにしても、髪の内部では化学反応が起きています。お店を出る瞬間には形になっていたとしても、実は髪の内部の状態はまだ「グラグラ」に不安定なまま。コンクリートで言えば、まだ生乾きの状態なんです。そんな状態で強力な洗浄力のシャンプーを使ってお湯を浴びせたらどうなるか。答えは簡単、せっかく入れた色味も、整えたカールの形状も、ボロボロと崩れ落ちていきます。これが、僕たちが「今日は我慢して」とお願いする最大の理由です。
髪の寿命を左右する「酸化」という魔法の時間
「魔法の24時間」なんて大層な言い方をしましたが、科学的に言うとこれは「空気酸化」を待つ時間のことです。カラー剤やパーマ液は、最後に薬剤を使って反応を止めますが、それでも100%完璧に定着するわけではありません。残りの数%は、24時間かけてゆっくりと空気中の酸素と触れ合うことで、ようやく髪の一部として定着するんです。
特に30代を過ぎて髪のエイジングが進んでいる世代の方は要注意です。若い頃に比べて、髪の内部のタンパク質がスカスカになりがちな世代は、ただでさえ薬剤の定着が悪い。それなのに、帰ってすぐにシャンプーをしてしまうと、定着しきれなかった成分が全部流れてしまいます。「美容室では綺麗だったのに、3日経ったら色が抜けた」なんて文句を言う人に限って、当日の夜にしっかり洗っていたりするんですよね。それは美容師の腕のせいじゃなく、あなたの「我慢のなさ」が原因かもしれませんよ。
お湯で流すだけでもリスクがあるという現実
「シャンプーを使わなきゃいいんでしょ?」と言って、お湯だけで流す「湯シャン」をする人もいますが、それも本当はおすすめしません。髪は水に濡れるだけで「膨潤」といって、キューティクルがパカッと開く性質を持っています。キューティクルが開けば、そこから不安定な薬剤の成分が漏れ出すのは当然のことです。
さらに言えば、お湯の温度も問題です。40度近い熱めのお湯で流してしまえば、カラーの色落ちは加速します。どうしても気持ち悪くて洗いたいなら、せめて翌日の夜まで待つ。それが、高いお金を払って手に入れた「最高の自分」を長持ちさせるための、最低限のルールです。もし、どうしても焼肉に行って臭いがついたとか、夏場で汗が止まらないというなら、ぬるま湯でサッと流す程度に留めて、速攻で乾かしてください。放置するのが一番最悪です。
30代以降の髪は「加点」よりも「減点」を防ぐ戦い
20代の頃の髪は、多少無茶をしても体力がありました。でも、30代、40代、50代と年齢を重ねるごとに、髪はどんどんデリケートになっていきます。もう、高級なトリートメントで「加点」していくことだけを考えていてはダメなんです。それよりも、日々のケアでいかに「減点」させないか、いかにダメージを与えないかという守りの姿勢が重要になってきます。
美容室帰りの24時間を大切にするというのは、究極の「守りのケア」です。この時間を守るだけで、カラーの持ちが1週間、2週間と変わってきます。ツヤの持続力も違います。美容室に通う頻度を下げたい、いつまでも綺麗な髪でいたいと思うなら、高いシャンプーを買う前に、まずは「当日は洗わない」というタダでできる最強のケアを実践すべきなんです。厳しいことを言いますが、これができない人に「髪を綺麗にしたい」と言う資格はありませんよ。
美容師の本音として伝えたいこと
僕たち美容師は、お客様が扉を開けて帰っていくその瞬間、一番綺麗な状態でお見送りします。でも、その綺麗さを維持できるかどうかは、そこから先のあなたの手に委ねられているんです。魔法をかけるのは僕たちの仕事ですが、その魔法を解かないようにするのはあなたの役割です。24時間だけ、ほんの少しの不快感を我慢するだけで、その後の1ヶ月がハッピーになる。そう考えたら、安い投資だと思いませんか?
髪は女性の、そして男性にとっても「命」と言われるほど大切なパーツです。鏡を見るたびに気分が上がるような髪を保つために、プロの言葉を信じてみてください。僕たちは、あなたの髪をいじめたいわけじゃなく、ずっと綺麗でいてほしいからこそ、少し耳の痛いアドバイスをしているんですから。
もし、髪の状態やケアの方法で少しでも不安なことがあったり、自分の髪質には何がベストなのか分からなくなったりしたら、一人で悩まずに、信頼できる担当の美容師さんに相談するのが一番ですよ。プロはあなたの髪の履歴を一番よく知っているパートナーですからね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。あなたの髪が、明日も明後日も、もっと素敵に輝くことを願っています。これからも読者の皆様に役立つ情報を発信していきますので、よろしくお願いします!


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