美容師の僕が呆れる「とりあえず洗っているだけ」の現状
こんにちは、現役美容師のKAZUです。キャリアも20年を超えると、これまで何万人もの頭皮と髪を見てきたわけですが、ぶっちゃけ言わせてもらうと、ほとんどの人が「正しく洗えていない」のが現実です。特に30代を過ぎて、白髪や抜け毛、髪のうねりに悩み始めた皆さんに聞きたい。高い美容液や高級なトリートメントを買う前に、自分の「洗い方」を見直したことはありますか?
「毎日洗ってるんだから、やり方なんて誰でも一緒でしょ?」なんて思っているなら、大間違いです。その適当な洗髪が、5年後、10年後のあなたの髪を老けさせている原因かもしれないんですよ。今日は、僕らプロが自分の髪を洗う時、一体どこに全神経を注いでいるのか、その本音とテクニックを包み隠さずお話しします。
髪を洗うという言葉に騙されるな。洗うべきは「皮脂の出口」だけ
まず、根本的な勘違いを正しておきましょう。皆さんは「髪の毛」を一生懸命洗っていませんか? 泡をたっぷり立てて、毛先の方までゴシゴシ……。それ、プロから言わせれば、ただの「髪の毛への虐待」です。髪の毛自体に付着しているホコリや汚れなんて、お湯で流すだけで8割は落ちます。シャンプーで本当に落とすべきは、頭皮にこびりついた「酸化した脂」なんです。
特に30代、40代、50代と年齢を重ねるにつれ、この脂の質が変わってきます。若い頃のようなサラサラした脂ではなく、加齢臭の原因にもなる、ねっとりと重い脂に変わるんです。これを放置すると、毛穴が詰まって髪が細くなり、最悪の場合、生えてこなくなります。だから僕らが髪を洗う時、意識しているのは「髪」ではなく、100%「頭皮」です。毛先なんて、泡が通過するだけで十分。わざわざ洗う必要なんてありません。
シャンプーを手にする前に勝負は決まっている。魔法の予洗い
多くの人が、髪を濡らしてすぐにシャンプーを手に取りますよね。それがもう、最初の大きなミスです。僕らプロが自分の髪を洗う時、一番時間をかけているのは、実はシャンプー前の「予洗い」です。最低でも2分、できれば3分はお湯だけで流し続けます。
「え、3分も?」と思うかもしれませんが、これだけで汚れの80%は落ちるんです。予洗いを徹底すると、シャンプーの泡立ちが劇的に変わります。泡立ちが良いということは、髪同士の摩擦を防げるということ。そして、少量のシャンプーで効率よく脂を浮かせることができる。もしあなたのシャンプーが泡立ちにくいなら、それは予洗いが足りないか、頭皮が脂でギトギトかのどちらかです。まずはしっかりお湯の温度(38度前後がベスト)で、頭皮の奥までお湯を届けること。これ、テストに出るくらい重要ですよ。
プロが最も丁寧に、執拗に洗う「聖域」とは
さて、ここからが本題です。僕ら美容師が、自分の髪を洗う時に「ここだけは絶対に外さない」と決めている場所があります。それは、「耳の後ろ」と「襟足(えりあし)」です。ここを適当に済ませている人があまりに多い。鏡で見えない場所だからって、おろそかにしていませんか?
実は、この耳の後ろから襟足にかけてのラインは、皮脂の分泌が多く、かつ「洗い残し」が最も多い場所なんです。加齢臭が一番発生しやすいのもこのあたり。ここがしっかり洗えていないと、どんなに高い香水を振っても、根元からオジサン・オバサン臭が漂うことになります。怖いでしょう?
耳の後ろを制する者が清潔感を制する
僕が自分の髪を洗う時は、指の腹を使って、耳の後ろの骨のくぼみを円を描くように入念に洗います。ここは眼精疲労のツボもあるので、ほぐすように洗うと血行も良くなって一石二鳥です。ここを適当にしていると、皮脂が酸化して独特のニオイを放つだけでなく、フェイスラインのたるみにも繋がります。頭皮と顔の皮膚は一枚で繋がっていますからね。
襟足の汚れが髪のボリュームを奪う
襟足(首筋の生え際)も重要です。ここは汗が溜まりやすく、シャンプーの泡が残りやすい場所。ここを丁寧に洗うことで、首元のリンパの流れも刺激され、顔色のトーンアップも期待できます。美容師は、襟足から頭頂部に向かって、下から上へ「皮脂を押し出す」ようなイメージで指を動かします。これをやるだけで、翌朝の根元の立ち上がりが全く違ってきますよ。
爪を立てるのは三流。指の腹で「頭皮を動かす」のが一流の証
時々、「痒いから爪を立ててガリガリ洗うのが気持ちいい」という人がいますが、悪いことは言いません、今すぐやめてください。自分の頭皮に傷をつけて、そこに雑菌を繁殖させているようなものです。自分で自分のハゲを促進させてどうするんですか。
プロの洗い方は、指の腹(指紋がある部分)を頭皮に密着させ、爪は一切当てません。そして「擦る」のではなく「動かす」んです。頭皮を骨から剥がすようなイメージで、ゆっくりと大きく動かしてください。これを「揉み出し洗い」と言います。毛穴に詰まった角栓を、指の動きでニュルッと押し出す感覚です。これができると、洗い上がりのスッキリ感が全く違います。頭皮が柔らかくなれば、栄養もしっかり行き渡るようになり、結果として元気な髪が育つわけです。
すすぎは洗う時間の2倍。それが髪を救う鉄則
「よし、しっかり洗った!」と満足して、サッと流して終わっていませんか? もしそうなら、あなたの頭皮環境は最悪かもしれません。実は、シャンプーのトラブルで最も多いのは「すすぎ残し」です。特に、先ほど言った耳の後ろや襟足、そして意外な盲点が「頭頂部」です。
シャンプー剤が頭皮に残ると、それが刺激物となって炎症を起こしたり、フケや痒みの原因になります。僕らプロは、洗う時間に3分かけたら、すすぎには最低でも6分かけます。それくらい、流すという行為は重要なんです。シャワーヘッドを頭皮に近づけて、お湯の圧力を利用しながら、指でヌメリが完全に消えるまで何度も何度も確認します。特に髪の長い女性や、髪の密度の高い方は、自分が思っている以上にシャンプーが残っていますよ。ヌメリが取れた後の、キュッとした感触。そこまでやって初めて「洗髪」が完了するんです。
トリートメントは「頭皮」につけたら試合終了です
最後に、仕上げのトリートメントについて。これ、30代以上の男女で勘違いしている人が多すぎます。トリートメントは「髪の毛の栄養」であって、「頭皮の栄養」ではありません。たまに頭皮からべったりつける人がいますが、それは毛穴をわざわざ油分で塞ぎに行っているようなものです。自殺行為ですよ。
プロが自分の髪にトリートメントをつける時は、必ず「中間から毛先」だけ。指の間を通して、髪一本一本をコーティングするイメージです。そして、絶対に頭皮には触れさせない。もし頭皮についたら、もう一度入念にすすぎます。せっかく綺麗に洗った頭皮に、余計な油分を残すなんてナンセンス極まりないですからね。地肌ケア用の製品なら話は別ですが、一般的なトリートメントは「髪専用」だと肝に銘じてください。
正しい洗い方こそが最大のエイジングケアである
ここまで読んで、「え、結構面倒くさいな……」と思ったかもしれません。でもね、考えてみてください。1ヶ月に一度、美容室で数万円かけてトリートメントをするよりも、毎日365日の「洗い方」を正す方が、髪への効果は圧倒的に高いんです。
30代からの髪の悩みは、日々の積み重ねでしか解決しません。適当な洗髪で髪を痛め、慌てて高い育毛剤を振りかける……そんな矛盾したことはもう終わりにしましょう。今日お伝えした「耳の後ろ」と「襟足」を意識した入念な洗い方。これだけで、あなたの髪の未来は確実に変わります。明日、鏡を見るのが楽しみになるような、そんな髪を自分で作っていってください。
もし、どうしても自分の頭皮の状態が気になる、自分に合った洗い方ができているか不安だという時は、悩みがあれば、担当の美容師さんに相談するのが一番ですよ。僕ら美容師は、あなたの髪のパートナーですから。親身になってアドバイスしてくれるはずです。
これからも皆様の髪が美しく、健康であり続けるお手伝いができるよう、役立つ情報を発信していきます。最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします!


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