その「エコ」が、あなたの髪をボロボロにしているかもしれない
こんにちは、現役美容師のKAZUです。美容師を始めて20年以上、のべ数万人のお客様の頭皮と髪を見てきました。そんな僕が、最近どうしても見過ごせない「ある習慣」についてお話ししようと思います。
それは、シャンプーの「継ぎ足し」です。みなさん、詰め替え用のシャンプーを買ってきたとき、ボトルの中身が空になる前に、あるいは空になった直後に、そのまま新しい液をドボドボと注いでいませんか?「もったいないから」「エコだから」「面倒くさいから」……理由は色々あるでしょう。でも、20年現場に立ってきた僕から言わせれば、それは「髪と頭皮に対するテロ行為」に等しいんです。少し言い過ぎだと思いましたか?でも、これが現実なんです。
シャンプーボトルの中は「菌の楽園」になっている
まず、想像してみてください。お風呂場という場所は、高温多湿で菌にとっては最高のラグジュアリーホテルなんです。そこに、少しだけ残った古いシャンプー。これに新しいシャンプーを継ぎ足すとどうなるか。古い液の中にわずかに混入した水分や雑菌が、新しい栄養たっぷりの液と混ざり合い、ボトルの中で爆発的に増殖します。
特に怖いのが「緑膿菌」などの雑菌です。これらは湿った場所を好み、一度繁殖すると簡単にはいなくなりません。あなたが「良い香りのシャンプーで癒やされる〜」なんて思っているその瞬間、実は大量の雑菌を頭皮になすりつけている可能性がある。そう考えると、ゾッとしませんか?「継ぎ足し」を繰り返すボトルの底には、数年越しの「菌の地層」ができていると言っても過言ではありません。
30代からの頭皮は、あなたが思っている以上にデリケート
「若い頃はそんなこと気にしなくても平気だった」と言う人もいるでしょう。確かにそうかもしれません。20代の頃は肌のバリア機能も高く、多少の雑菌くらい跳ね返す力がありました。でも、このブログを読んでいる30代から50代のみなさん、現実は甘くありません。年齢を重ねるごとに、頭皮のターンオーバーは遅くなり、バリア機能は確実に低下しています。
雑菌だらけのシャンプーを使い続けると、頭皮にかゆみが出たり、湿疹ができたりするのは序の口です。恐ろしいのは、それが「慢性的な炎症」につながること。頭皮が炎症を起こすと、健康な髪を育てる土壌が破壊されます。最近、髪が細くなってきた、抜け毛が増えた、分け目が目立つ……その悩み、実はシャンプーの品質そのものではなく、ボトルの衛生状態が原因かもしれませんよ。
高級シャンプーが無駄になる、悲しすぎる理由
美容室で数千円、ときには一万円近くする高いシャンプーを買ってくれるお客様もいます。「髪を綺麗にしたい」というその気持ち、本当に素晴らしいと思います。でもね、その高級シャンプーを、ずっと洗っていない汚いボトルに継ぎ足して使うのは、高級フレンチの料理を洗っていない皿に盛り付けるのと同じです。せっかくの有効成分も、菌によって分解されたり、酸化したりして、本来の力を発揮できなくなります。
それどころか、劣化した成分が刺激物となり、髪のキューティクルを傷つけることだってあります。「高いシャンプーを使っているのに、全然効果が感じられない」という方は、一度自分のボトルの底を覗いてみてください。ヌルヌルしていたり、変な色が付いていたりしませんか?もしそうなら、どんなに良い成分もドブに捨てているのと同じなんです。辛口で申し訳ないけれど、それがプロの視点から見た本音です。
継ぎ足しをやめて、髪を蘇らせるための新習慣
じゃあ、どうすればいいのか。答えは簡単です。「使い切ったら、洗って、完全に乾かす」。これだけです。でも、この「完全に乾かす」というのが一番のハードルなんですよね。シャンプーボトルの中は構造が複雑で、一晩置いたくらいでは水分が残りやすい。水分が残ったまま新しい液を入れたら、また菌が繁殖する原因になります。
僕がお勧めしているのは、ボトルの「2本回し」です。1本目を使い切ったら、しっかり洗って風通しの良い場所で数日間乾燥させる。その間は、もう1本の予備ボトルを使う。これだけで衛生状態は劇的に改善します。あるいは、最近は「詰め替え用パウチをそのまま吊るして使えるポンプ」なんかも売っていますよね。あれは空気に触れにくいし、ボトルを洗う手間もないから、実はすごく理にかなった発明なんです。
「エコ」と「手抜き」を履き違えないでほしい
最近はSDGsなんて言葉も一般的になって、詰め替え用を選ぶのが当たり前になりました。それは素晴らしいことです。でも、環境を大事にするあまり、自分の身体(髪や頭皮)を犠牲にするのは本末転倒だと思いませんか?「継ぎ足し」はエコではなく、ただの「手抜き」です。自分のことを大切に扱えない人に、本当の美しさは宿りません。
髪は、女性にとっても男性にとっても、一生付き合っていく大切なパートナーです。そして、その髪を育てる頭皮は、一度傷んでしまうと立て直すのに時間がかかります。50代、60代になってもツヤのある豊かな髪でいたいなら、今すぐその「ドボドボ継ぎ足し」をやめる決断をしてください。
美容師が本当に伝えたい、ボトルへの愛着
僕たち美容師は、お客様の髪を少しでも綺麗にしたいと思って毎日ハサミを握っています。サロンで一生懸命トリートメントをして、最高のコンディションに整えても、自宅でのケアが「雑菌シャンプー」だったら、僕らの努力は半分も報われません。だからこそ、厳しいことを言いました。ボトルを清潔に保つことは、自分自身の美しさを尊重することなんです。
今日お風呂に入ったとき、まずは自分のシャンプーボトルをじっくり観察してみてください。もし、ずっと洗わずに継ぎ足し続けていたなら、思い切って新しいボトルに買い替えるか、徹底的に洗浄・殺菌することをお勧めします。それだけで、次に使うシャンプーの泡立ちや、洗い上がりの頭皮のスッキリ感が全然違うことに驚くはずですよ。
もちろん、シャンプーの選び方や、今の頭皮の状態が心配な方もいるでしょう。悩みがあれば、担当の美容師さんに相談するのが一番ですよ。彼らはあなたの髪の癖も、頭皮の状態も一番よく知っているパートナーですからね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。あなたの髪が、明日もっと輝くことを願っています。これからもよろしくお願いします!

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